ドラマにもなった漫画ウロボロス。
その魅力はやはりストーリー設定だと思います。
警察と暴力団、本来なら相容れない、相容れてはいけない二つの組織が協力し、巨大な地位や権力をもつ人間を倒す設定です。
警察=法の番人
暴力団=闇の住人
社会の表と裏が協力する、まさに表裏一体ですよね。この斬新な設定が多くの読者を惹きつけた理由だと思います。
そんなウロボロスですが、実はパクリ疑惑が出ており話題となっています。しかも、ウロボロスに限らず、漫画の生命線とも言える設定にパクリ疑惑が浮上しているので、穏やかな話ではないですよね。
社会の表と裏が協力して強者を倒す。
この斬新な設定で、ウロボロスより約20年も前に漫画となっていた作品があります。
その作品とは
サンクチュアリ
ウロボロスが「警察」と「暴力団」なのに対し、サンクチュアリは「政治家」と「暴力団」が手を組みます。今回はウロボロスとサンクチュアリの簡単なあらすじと、二つの作品の比較を紹介したいと思います。
ウロボロスのあらすじ
孤児院で育ったイクオと竜哉。
15年前のある日、二人のとって親代わりの恩人が殺されます。
逃げていく犯人の後ろ姿を見ていたイクオと竜哉でしたが、彼らの証言を強引にもみ消した人物がいました。その人物とは、本来彼らの大切な人を殺した犯人を捕まえるべき刑事でした。
金色の腕時計をした刑事を捜すため、イクオは警察、竜哉は暴力団となり、それぞれの道で成り上がることを決意します。
イクオの真の目的である15年前の事件に関する資料は、警察署のどこにまありません。
暴力団となった竜哉も、15年前の事件の実行犯の情報を掴みかけますが、何者かによって情報提供者が殺されます。
そして彼らが掴んだ実行犯の情報も次々と消されていきます。
消えた実行犯の情報、もみ消されていく事件、イクオと竜哉は事件の真犯人に辿り着くことはできるのか?
サンクチュアリのあらすじ
独裁政権下のカンボジアで、壮絶な少年時代を過ごした北条と浅見。
帰国した二人は、明日に希望を抱けない日本を変えるため、社会の表と裏で成り上がることを決める。
表の世界、政治家を目指し大物議員の秘書となった浅見、そして裏の世界である極道で成り上がるため、ヤクザの門を叩く北条。
ある日北条は、頭が良いのに何故ヤクザになったのかと聞かれ
「普通の人間が30年かかるところを、1日でやれるからですよ!」
と答えます。
この答えの通り北条は若くして金と武力で人を動かします。
浅見は裏で北条と繋がり、自民党代議士の佐倉を脅迫し、佐倉の地盤を奪おうと画策します。
順調に計画を進める二人の前に、さらに強力な敵が立ちはだかる・・・。
ウロボロスとサンクチュアリを比較
ウロボロスとサンクチュアリの設定を比較すると、二人の男が社会の表と裏から成り上がる。この設定が二つの作品が似てると話題になった理由だと思います。
以下はウロボロスとサンクチュアリの相違点になります。
少年時代
サンクチュアリ・・・独裁政権下のカンボジア
ウロボロス・・・孤児院
舞台
サンクチュアリ・・・政治と極道
ウロボロス・・・警察と極道
目的
サンクチュアリ・・・日本を変える
ウロボロス・・・恩人を殺した犯人を捕まえる
ウロボロスとサンクチュアリを比較すると、ウロボロスにはミステリーの謎解き要素が強いです。
一方のサンクチュアリにはミステリーの要素は少ないのですが、その代わりバイオレンスの要素が強いです。
もう漫画じゃなくて
バイオレンス
でいいと思います。
とにかく男の中の男を描いた作品です。
そして熱いです!熱過ぎます!!
ちなみに、池上遼一氏が作画を務める漫画は基本熱いです。
「HEAT-灼熱-」
こちらもタイトル通り熱かったです(笑)
二つの作品の比較を一言であらわすなら、ウロボロスは平成の匂い、サンクチュアリは昭和の匂いがする作品です。
他には邦画が好きならウロボロス、洋画が好きならサンクチュアリと言ったとこでしょうか。
まとめ
パクリ疑惑が出ているウロボロスですが、確かに設定は似ています。
だけど、面白いと感じる部分が違うので、実際にサンクチュアリを読んだ後にウロボロスを読んでも、似てるとは思いませんでした。
ウロボロスはミステリー要素が強いため、展開の面白さも魅力の一つです。なので、最初に設定が似てると感じていても、読み始めるとすぐに忘れてしまうほどの面白さがあります。
読み始めた結果、パクリ疑惑を忘れてしまうと言うことは、それはもうパクリではないと言うことですよね。